手・足の痛み
スポーツをしている若者や家事をする中高年の女性、手足を使う仕事をする男性と非常に幅広い患者さんが起こりやすい症状です。
使いすぎによる腱鞘炎などがよくみる病気の1つですが、それ以外にも手足の末梢神経が原因であったり、血管が原因となることもあります。糖尿病や脳神経の病気もあります。これら多くの病気を診察しながら鑑別していきながら治療していきます。
ばね指
指の関節を曲げるには、骨にくっついている筋肉(腱)と、それを包んでいる鞘のような腱鞘(けんしょう)が関係します。腱鞘の中を腱が行き来することによって指を自由に曲げることができます。この腱鞘が分厚くなり腱を圧迫したり、炎症を起こすことでおこる病気がばね指です。スムーズに指を曲げ伸ばしすることができなくなり、引っかかった後ばねのように指がはじかれることが名前の由来です。炎症をおこしているため、腫れたり痛みが伴うこともあります。
- 指の曲げ伸ばしがしにくくなる・指の痛みや腫れ
- 超音波で分厚くなった腱鞘と腱の間にステロイドや痛み止めを注射をしたり、鎮痛薬を内服したりすることで炎症を抑え改善させます。症状がひどい場合、手術をおこなうこともあります。
ドケルバン病
ドケルバン病も腱鞘炎の1つです。手首から親指にいく腱(短母指伸筋腱と長母指外転筋)は手首では腱鞘という鞘に包まれています。その鞘が分厚くなったり、傷んだりすることで炎症をおこすことで起きる病気で、親指を動かしたりすることで手首に痛みが生じます。妊婦さんや更年期の女性・指をよく使う仕事の人に多いのが特徴です。
- 手首の痛み
- 鎮痛薬を内服していただいたり、炎症を起こしている腱鞘に超音波を使用して抗炎症薬を注入します。炎症部位に正確に注射できるため効果は非常に高いです。
母指CM関節症(ぼししーえむかんせつしょう)
親指(母指)の手前の甲の骨(第1中手骨)と手首の小さい骨(大菱形骨)の間の関節のことを、CM関節と呼びます。これは親指と他の指を使ってつまみ動作ができるように大きな動きのある関節です。
その関節が、使い過ぎや老化に伴って、骨の摩耗が起き、炎症をおこすことで関節が腫れ、母指が変形したり痛みが生じる病気です。
- フタを開ける動作や物をつかむ動作で起きる痛み
- 関節を安静にするためサポーターを着用していただいたり、鎮痛薬を内服していただきます。痛みが強い場合は関節に直接、注射をおこない炎症を抑えたりします。
足底腱膜炎(そくていけんまくえん)
足の裏の表面には、かかとの骨から足の指にかけて足底腱膜(そくていけんまく)という組織があります。足底腱膜は土踏まずを支えたり、足への衝撃をやわらげるクッションの働きをしています。しかし、マラソンや長時間の立ち仕事によって過度な負担がかかると、かかと付近の足底腱膜に炎症がおこり痛みが生じる病気です。
- 足の裏の痛み
- 鎮痛薬・湿布薬などを使用します。さらに、超音波を使用して炎症を起こしている部分を検索し、炎症部位に直接、抗炎症薬を注射します。超音波を使用することで正確に注射をおこなうことができるため、非常に高い効果が期待できます。
アキレス腱炎(アキレスけんえん)
尺骨(よく耳にすることがあると思われます「アキレス腱(かかとの部分)」に炎症が生じる病気です。
アキレス腱に負担がかかる動作・・・マラソン・ウォーキング・ジャンプなどの動作が原因になることが多いです。また高齢になるにつれて腱が弱くなるため、スポーツをしてなくとも日常動作で炎症が起こることもあります。
- かかとの痛み 腫れ
- まずは炎症がおさまるまで、安静にしながら消炎鎮痛薬の内服や湿布を使用していただきます。下肢後面の硬さが原因となるので、ハムストリングのストレッチを指導します。アキレス腱の動きをよくするために、滑液包というすべりをよくする袋に注射をすることもあります。
モートン病
足の裏の中指と薬指の付け根あたりに痛みやしびれが起こる病気です。 原因は、足にいく神経が中指と薬指の付け根のあたりで足の裏側にでてくるためそこが障害されることでおこります。足の形が変形した方や、中腰の動作・ハイヒールをよく履く方に起こりやすいのも特徴です。
- 足の裏の痛み 痺れ 灼熱感
- 足に変形がある場合、形を整えるサポーターを使用していただいたります。痛みに関しては、神経の痛みなので鎮痛薬やブロック注射をおこない直接、抗炎症薬を注入したりすることで治療します。